例えばMac OSの頃は "デスクトップの再構築" というメインテナンス方法がありましたが、仕様が根本から変更された次世代のMac OS Xでは廃止された、など。
このように、Mac OSからMac OS Xへ、Mac OS XからOS X……そしてmacOSへと移り変わっていく中で当初は半ば常識のように行っていたことがいまは通じない、あるいはほとんど意味をなさなくなったというものが幾つかあるので挙げてみます。
アクセス権の修復
アクセス権の修復が不要になった……とは言い過ぎかもしれませんが、OS X 10.11 El CapitanからはOSに同梱されているディスクユーティリティ.appからこの項目が廃止されたので、簡単にアクセス権の検証・修復が行えるという状況ではなくなりました。
ちなみにこちらがOS X El Capitan以前のディスクユーティリティの画面。
昔はそれなりに効果が見られたメインテナンス方法でしたが、確かに数年くらい前からは「あまり意味がないんじゃないの?」という声も散見されるようになっていて、最近では『おまじない』扱いされていたほど(笑)
廃止された理由は、システム側で適宜メインテナンスされるようになったから……とのことですが、うーん、Appleが言うのだからそうなんでしょうけど、そうなの?
デフラグ(断片化の解消、最適化)
Mac OS Xはシステムそのものが常にデータ配置の最適化を行っているので、わざわざユーザが時間を割いてデフラグを行う必要は無くなっています。
▶︎ Disk Utility 12.x: ディスクのデフラグについて
▲ Drive Genius 3のDefrag機能の画面
なお、デフラグは再配置をするためにデータの読み書きをたくさん行うため、HDDよりもデータの読み書き回数の制限がキビシイSSDに対してデフラグを行うとSSDの寿命を縮めてしまうことになるので、今の時代はほとんどデフラグによるメリットはないか、恩恵を受けるのはごく限られた用途に限られると考えても良いかもしれません。
(´-`).。oO(実際のところ『デフラグ』って既にほぼ死語なんじゃない?)
メモリの解放
これは私もつい最近まで知らなかったことでちょっと驚きました。
OS X Mavericksからメモリの管理システムが変更されているのでメモリ解放は不要に……というよりもしない方が良いそうです。
どうしてもモタツキが気になる状況に陥ってしまった場合は、面倒くさいでしょうけど未保存のファイルはきちんと保存を済ませてからMacを再起動させた方が良さそう。
fsckコマンドによる修復
Mac OS X 10.4 Tiger以降、Appleはfsckコマンドによる修復は非推奨としています。
▶︎ ディスクユーティリティおよび fsck を使用して、起動時の問題を解決する、あるいはディスクをメインテナンスする - Apple サポート
この件については過去にエントリ済み。
簡単に言うとこういうことです。
- 通常のメインテナンスはディスクユーティリティ.appを使って欲しい
- fsckコマンドは常用せず、窮余の一策のような使い方に止めて欲しい
デフラグやメモリ解放もそうですが、いずれにせよ基本は『OS側がやる/やっている仕事に任せて欲しい』ということのようです。
(´-`).。oO(ま、そりゃそうか💦)
まとめ
こうやってみるとユーザがわざわざ時間を割いてメインテナンスをする必要ってほぼ無くなってきているのかもしれませんね。
もちろんOS側を100%信頼すれば、の話になるかもしれませんけど。
ちなみに私のメインテナンスは……
- 月初、またはOSのアップデート前後にディスクユーティリティによるメインテナンスを行う
- OSのマイナーアップデート2〜3回に1回くらいの割合でCombo Updateを適用する
- OSのメジャーアップデート時には極力クリーンインストールをする
といった具合で、これ以外にはメインテナンスらしいメインテナンスは行っていませんが、ここ数年、バグによる不具合を除けばトラブルらしいトラブルには遭遇していません。