2018年にリリースされている第三世代のiPad Proにおいて、曲がるような力をかけた覚えはないのに曲がって来た、新品を購入して開梱したら既に曲がっていたなど、製品の湾曲を訴える声が昨年末ごろから上がり始めていました。
この件に関し割と早い段階で『仕様』という形で説明はされていましたが、2019年1月5日付(米国)でAppleによる公式の見解(説明)が公表されました。
仕様との見解を崩さず
文書を読む限りでは……:
これまでのiPadとは異なる製造技術を用いたことで湾曲しやすい特性はあるけど、400ミクロンに設定した許容偏差を超えている製品は出荷していない
らしい。
そこに湾曲しやすいことを認める文言はありませんが、技術的な説明をした上で許容偏差の数値を挙げていることから当方が勝手にした推測(印象)です。
ここまでならまだ「なるほどね」と合点が行くのですが、気になるのは後半。
そこにはこのような記述があります(意訳):
エッジが直線になり、アンテナの分割線もあるので見方によっては歪みが大きく見えるかもしれません
確かに何らかの基準となりうる線があれば、必要以上に曲がり具合が誇張されることはあると思います。逆を言えば、そのような線が近くになかったら湾曲には気づかないかもしれません。
ただアンテナの分割線はさておき、本体が歪めばエッジの直線も一緒に歪むもんじゃないのか……という素朴な疑問が残るので、これを歪んで見える原因の一つとしてあげられるのはモヤモヤ感が残ります。
紙4枚の厚さ未満
この紙がケント紙並みの薄さのものなのか、それともハガキくらいの厚みのあるものを指しているのかは不明ですが、一般的に思いつく紙が「コピー用紙」程度のものだとしても4枚分の厚みというのは結構厚いと思うのですが、如何でしょう。
ちょっと試してみて
- 真っ平らなテーブルの上にハガキを1枚置く
- iPadまたはiPhoneの角が、ハガキの角に辛うじて乗っかる様に置く:背面カメラの出っ張りが邪魔なので、画面を下向きにして置いてください
- iPadまたはiPhoneの3角(ハガキの乗っている角以外)を指で押してみる
どうでしょうか、たったハガキ1枚でも多少なりがたつきが見られると思います。
( ˙-˙)。oO(がたつきが確認できたらハガキを抜いてみて、がたつきが直るはず)
確かに微細なレベルかもしれないけど……
確かに紙4枚の厚さ未満という値はiPadの大きさと比べたら微細なレベルだろうし、全く歪みのないものを作るのは非現実的だろうなとも思います。
しかし、「……というわけで、多少の歪みは正常です」と言わんばかりの文面に仕上げてしまうのは若干 "言い訳をしている" ように見えないでもありません(事案の本質じゃなくて言い方の問題になっちゃうけど)
また、使っているうちに徐々に歪んで来たというものもあれば、目に見えて明らかに湾曲している例も無かったわけではなく、これらの事案が仮にフェイクでないならこの文書に書かれている内容では説明がつきません。
もしかすると、公表されている動作環境条件内であっても特定の条件が揃うと歪みが大きくなるというようなレアケースもあるかもしれないので、場合によっては追加調査をお願いしたいですね。
歪みが酷い場合はAppleに相談
新しいiPad Proを購入したらまず、自分の目で歪みの有無を調べてください。
画面を下にしてまっ平らな場所に置き四隅を軽く押してガタつきの有無を確認するか、あるいは画面を点けた状態でテーブルなどに伏せて光の漏れ具合を見てみるのも良いかもしれません(完全に真っ平らな場所というのも難しいでしょうから、その辺を考慮した上で確認してくださいね)
ユーザに過失がなければ購入後14日以内なら返品が可能なのでAppleのサポートに相談したら返品・交換に応じてもらえるかもしれません(購入ルートによっては返品不可)
まとめ
今回のアップルの公式発表、間違えたことは言っていないのかもしれないけど、なんかこう誠実さに欠けるというかAppleとユーザ間の僅かな温度差を感じるものでした。