昔からある手口なので知っている人は多いと思うけど、敵もさる者で騙しの窓口となる画面表示は以前にも増して秀逸になってきています。
例えばこの画面……
この画面を見て1秒も経たず、脊髄反射的に怪しさを察知できたあなたはまず心配なし。
しかし反射的に警告にビビってしまったり、あるいは怪しさに気づくまで時間がかかっちゃった人は騙される素質があるので注意が必要です。
怪しむべきポイント1:英語表示
Appleが日本人ユーザ(言語環境が日本語に設定されているmacOSのユーザ)に対して英語で表示している、この時点で怪し見ましょう。
発表されたばかりの製品のページだったり、専門性の高い開発者向けのページなど日本語環境でも英文で表示されるページもありますが、『ウイルスに感染している』という重大なトラブルに関して警告を発するなら各国の言語で記されるべきですし、Appleならそのようにするはずです。
怪しむべきポイント2:名称違い
3つのウイルスに感染していると赤い大きな文字で警告を発していますが……
MacOS ではなく macOS です
Appleが自社製品の名称を間違えるわけがないですね。
( ˙-˙)。oO(まあ、絶対に、100%間違えるはずがないとまでは言えないけど)
ちなみにこの画面には "MacOS 10.14 Mojave" が動作していると言い当てていますが、これは普通の健全なサイトでもブラウザ情報などから簡単に取得できる情報です。
あなたのMacが、と曖昧に書くよりも、言い当てたほうが真実味が増すから書いてあるだけなので『Macの中を見られてる!』と慌てる必要はありません。
怪しむべきポイント3:カウントダウン
赤い大きな文字でウイルス感染の恐怖を煽っておいて……
『取り返しのつかない深刻なダメージを受けるまであとXX分XX秒』という一見親切そうですが、よくよく考えたら意味不明な文言が記されています。
深刻な脅威に侵されているなら『すぐに対処せよ!』なはずなのに、5分のカウントダウンとか悠長なことを言ってて良いんですかね?笑
これも不安を煽るための仕掛けに過ぎません(そもそも感染していないし)
怪しむべきポイント4:安全性の警告
この画面はChromium系のVivaldiというウェブブラウザのものなのですが、まずは「安全ではありません」と記されている時点でダウトですね。
セキュリティ警告のページ自身が「安全じゃありません」て何の冗談か、と笑
怪しむべきポイント5:サイトアドレス
そしてその後ろに続いて表示されているサイトアドレス。
".com-fast-macbook.live" なんてドメインは存在しません、というかこの書式は原則ありえません。
".com" なら次に来る文字は "/" しか無いんです、普通は。これはAppleに限らず ".jp" だろうがなんだろうが同じこと。
- https://www.apple.com/jp/
- https://weather.yahoo.co.jp/weather/jp/1b/
- https://www.microsoft.com/ja-jp/store/b/home
短縮されたURLでも……:
こんな感じですから、このような共通点(基本)を知っていれば ".com-fast-macbook.live" という記述がおかしいと気づけるはずです。
何はともあれクリックしないこと
迷惑メールもそうですが、まずは『青天の霹靂』的な警告(脅し)には決して動じることなく、決してクリックすることのないよう冷静に対処するようにしましょう。
あと、ウェブページを渡り歩いている最中で突然別窓が開いて表示される広告……これらすべてが怪しいとは言いませんが、基本疑ってかかるようにした方が賢明です。
特に全く脈絡のない広告(例えば宿泊先のホテル探しをしていたら仮想通貨の広告が出てきた、とか)は注意しましょう。