Google Chromeの ver. 70 から "ピクチャ・イン・ピクチャ" という表示方法がサポートされました。
特に設定などは必要なく、対応サービス上でマウスを操作するだけです。
Safari(macOS)ですでに提供されているこの機能は、基本的な動作はSafariもChromeも大差ありませんが、細かな挙動では若干の違いがあります。
じっくりと精査はしていませんが、とりあえずサラッと触ってみて気づいた相違点を以下にまとめておきます。
ピクチャ・イン・ピクチャとは
画面の中に別の画面を表示させる機能のことで、PiPと略記することもあります。
パソコンの場合は複数のウインドウを含むデスクトップ(下図赤枠)とは別に、動画などを別枠(下図紫枠)で表示させる機能のことを指します。
ウインドウとしてではなく、動画なら "動画だけ" が表示されるのでPiPという別の呼び方をしているようです(もちろんウインドウ表示とは仕組みが違うというのもあると思いますが)
別枠で表示(紫枠)させたものは常に最前面(フロート)で表示されます。
SafariとGoogle Chromeでの違い
大雑把な相違点を以下にまとめました。
Safari | Chrome | |
---|---|---|
呼び出し | 右クリック2回で表示されるメニューから | |
解除方法 | PiP画面内の操作ボタン or Xボタンをクリック | |
拡大・縮小 | PiP画面の端をドラッグ | |
最大サイズ | デスクトップ画面全体の約1/4まで(iMac 5K 27-inchの場合) | |
最小サイズ | 横幅で180pix程度まで? | 横幅で150pix程度まで? |
フロート位置 | デスクトップ画面の四つ角いずれかに吸着 | 任意の場所 |
スペースへの追随 | 常に表示(全スペースに追随) | PinPを発動したデスクトップ画面のみ |
広告表示 | 動画広告はPinP画面内、バナー広告はメインウインドウに表示(YouTubeの場合) | |
広告のスキップ | PiP画面上ではスキップ操作不可 |
Chromium系でもPiPが使えるかどうかはこのエントリを書いている時点では不明です。
ちなみにPiP元のウインドウを閉じちゃうとPiP画面も消えるので、PiP元のウインドウが邪魔な場合はDockに隠すなどして下さい。
使ってみての印象
使用感で一番違いが感じられるのは上で「スペースへの追随」と書いたところで、いわゆるMac OS X時代に始まったExpøse、Spacesといった仮想デスクトップ(デスクトップ画面の切り替え)に追随するかどうか、という点。
Safariの場合はデスクトップを切り替えても常に追随してくれるのに対し、Google Chromeの場合は切り替えに追随せずPiPを発動した画面にのみ表示されます。
"フロート" というのが一般的には「常に表示されるもの」という印象があるので、個人的にはSafariの挙動の方が自然で、Chromeのは異質に感じます。
( ˙-˙)。oO(この辺りは好みの違いによるものが大きいかと)
PiP画面をどこに表示できるかというのもSafariとChromeでは全く違って、Safariの場合は画面の四隅いずれかに吸着されるので四隅にPiP画面が寄せられますが、Chromeの場合は吸着しないので自由度は高いです。
( ˙-˙)。oO(この辺りは作業性重視か、視聴生重視かというAppleとGoogleでの文化の違いかな?)
あとは、Safariの方がmacOS上でのPiPについては先輩ということもあり、安定性に関しては全く何の問題もありません。
一方のGoogle Chromeはまだ若干バギーで、PiPを呼び出したら画面が真っ暗のままで音しか聞こえてこなかったり、PiPが解除できないということが時々ありました。
どっちを使う?
PiPを使うために他社ブラウザからSafariやGoogle Chromeに乗り換えることはあるかもしれませんが、SafariかGoogle Chromeかでしたら正直「どっちでもいい」です、笑
メインブラウザがSafariならSafariでPiPを使えば良いし、ChromeならChromeでPiPすれば良いと思います。