今は大きくて精度の高い写真を撮れるのが当たり前になりましたが、一昔前は画像も小さいし感度の問題もあって綺麗でキレのある写真を簡単には撮れませんでした。
そういう時代に撮った写真から気に入ったものをiMac(5K)デスクトップ画像に貼りたいと思っても 1,280 x 960 pixel を 5,120 x 2,880 pixel に貼るとただでさえ粗めの画像だったのが余計に粗くなって萎えたことはありませんか?
もしそういうことでお悩みでしたら、以下に紹介するアプリを試してみてください。
Linux用だけどMacでもWinでも使える "Upscayl"
ここで紹介するのが "Upscayl" というもので、綴りはいじってありますが「アップスケール(upscale)」と読んで良いんだと思います。
Linux用に作られたものらしいのですが、macOSでもWindowsでも使える形で配布されています(入手先は後述)
ビフォーアフター
2004年8月8日に撮影したF-4 ファントム、JASDF 50th 記念塗装機で試します:
上の画像をUpscaylで処理(アップスケール)したものがこちら:
ここではどちらもサムネイルで表示されているので見かけ上のサイズは同じですが、書き添えてある通り後者の画像は前者の画像の4倍(4枚分)に拡大されています。
AIによる処理のおかげで拡大されつつ画質も補正
普通に拡大すると画質は粗くなるはずですが、UpscaylはAIによる処理が行われているので粗くなるどころか逆に滑らかでシャープな仕上がりになります。
ただ、処理にはちょっとクセがあるのでそのクセが悪い方向に影響しないような元画像であれば十分に納得できる仕上がりを得られると思います。
岩のようなザラザラ感や、目の細かいメッシュ素材などは素材の質感が潰れる傾向が伺えたので Upscayl には不向きかも知れません。
上の画像で言えば、水平尾翼の塗装面やエンジンのズルの金属感などは必要以上に "ヌルスベ" な仕上がりで不自然さを感じます(垂直尾翼のレタリングはかなり鮮明になってて良い仕上がりなんですけどねぇ)
他の例(左がビフォー、右がアフター)
これらの画像もアフターの方は元画像の4倍に拡大されています:
他の機能
写真向けの処理(General Photo)と、イラストなどの色調向けの処理(Digital Art)、鮮明化(Sharpen Image)の3つから選べます。
( ˙-˙)。oO(このエントリで紹介したのは全て "General Photo" を使用してます)
あと、General Photoについては "Double Upscayl" モードという『8倍拡大』を選択できるようになっていますが、一度4倍拡大された画像を再拡大する処理をしているようで処理後の画像はかなりクセが強いので8倍拡大に向いている画像はかなり限定されるかもしれません。
使い方は簡単
- Select Imageボタンを押して画像を選択、またはアプリケーションウインドウに画像をドロップ
- モードを選択(通常は "General Photo" モードで十分)
- 処理後の画像の保存先を選択:別名保存してくれるので元画像と同じディレクトリを選択しても上書きされる心配はありません
- [Upscayl]ボタンを押して処理を実行
Batch UpscaleのスイッチをONにするとバッチ処理も可能です。この場合はあらかじめ処理したい画像を一つのフォルダにまとめておき、手順1の際にそのフォルダを指定します。
入手先
macOS用であれば、以下のリンク先で " Upscayl-1.5.0.dmg" をダウンロード。
Upscaylについては以下のページでどうぞ: