今や当たり前の宅レコも、全てはここから始まったと言えるかも
macnnより
まずはいきなり画像を載せちゃいますか!多分四十代以上でバンド経験などがある方は感涙ものじゃないですか?
美しいのでサムネ化しませんw
1984年にTASCAM(TEACの業務用音響ブランド)が世に放った「Porta One(via とり三重成るままに)」を再現したもの。完全再現とまではいきませんが、EQやPANの可愛らしいボリュームつまみは健在。オレンジ色という、それだけでもレトロ感いっぱいのカセットテープが挿れられているのも趣がありますね。
なお、アプリの使い方や細部の説明はharryJ4uさんの「iPad MTRアプリ:TASCAM Portastudio !」に詳しく書かれていますので是非ご参照下さい。連動"されちゃいました"企画です(笑)
カセットMTRというのは所謂民生用のカセットテープを使ってマルチレコーディングするための録音機材のこと。カセットテープはA面とB面それぞれにステレオ右左用のトラックを1本ずつ(合計4本)持っているので、A面<>B面のリバースという概念を取っ払い、『一方通行の4トラック』に見立てたのがカセットMTR(当時4TR)の始まり。
4トラックなので普通に考えたら4つのソース(ボーカルや楽器など)しか入れられそうにもありませんが、ステレオ音源に固執しなければ、つまりモノラルでも良ければ7つのソースを詰め込むことも可能でした。それが「ピンポン」と呼ばれるやり方(今や死語ですが…)。
簡単に言うと…
- No.1〜No.3の各トラックにドラム、ベース、ギターを録音
- 各楽器の音量バランスを決めてNo.4トラックにダビング
- 空いたNo.1〜No.3のうちNo.1とNo.2にピアノとパーカッションを録音
- それを空けておいたNo.3トラックにダビング
- 再び空いたNo.1とNo.2にリードボーカルとコーラスを録音
ね?7つ。
ドラムとパーカッションを一気に1つのトラックで録る、というやり方も無い訳でないので所々で一発録りを織り交ぜればソースの数はまだ増やせますが、後々の面倒さを考えると7ソース使うのが最も一般的だったでしょう。今では考えられないような苦労を、当時のアマチュアミュージシャンはしていたんですよ!一度ピンポンしちゃったらやり直しがきかないですからね(録りなおすしかない)。
こんな(今の時代から見たら)しょぼくて玩具みたいなものでも、当時は今のMacBookなみの値段がしたものです。「買っちゃった、テヘ♪」で済む金額じゃなかったんですよ。業務用のオープンリールなんてあり得ん、あり得ん(今でも高いけど/笑)。
それが今の時代はiPadのような薄型軽量の筐体に、たった1,200円で導入する事ができちゃうのですから、何とも羨ましい時代になったものです。iPad本体の値段も含めれば当時のMTRと良い勝負ですけど、MTRは録音しか能がありませんから話になりません(大笑)
あ〜、うちの押し入れに入っているYAMAHAの8tr、腐ってるかも?Σ(・ω・ノ)ノ!
【ダウンロード】Portastudio:iPad用、1,200円
[注記]上記Appは実機のPorta Oneのような複数トラック同時録音やピンポン機能には対応しいません。詳しくはharryJ4uさんのブログで♪