macOSのダウンロードフォルダに保存されたファイルをUSBメモリに移動させたのに、ダウンロードフォルダにファイルが残ってしまうから後で削除しなくちゃならなくて面倒くさい……みたいな経験はありませんか?
ここではこのように「移動したいのに複製になってしまう」、あるいは「複製したいのに移動になってしまう」という動作について説明します。
なおこのエントリは2013年7月に書いたもののリメイクなので内容的には全く同じです。
移動と複製
移動させるファイル(フォルダ)が元の場所に残っているか、残っていないかの違い。例えばこうなっていたとして:
移動とは
フォルダAに入っているファイルをフォルダBに移す。
この時、移したファイルがフォルダAに残っていなければ、これは移動。
複製とは
フォルダAに入っているファイルをフォルダBに移す。
この時、移したファイルがフォルダAに残っていれば、これは複製。
では同じくドラッグしただけなのに移動になる時と複製になる時があるのは何故か。
上図のようにフォルダAからフォルダBにファイルの場所を変えるとして違いを説明します。
移動となる条件
例えばフォルダAがダウンロードフォルダの中に、フォルダBは書類フォルダの中にあるとします。この時、フォルダA内のファイルをフォルダBに動かすと "移動" になります。
あるいは外付けHDD内にあるフォルダA内のファイルを、同一の外付けHDD内にあるフォルダBに動かすと、これも "移動" になります。
複製となる条件
今度はダウンロードフォルダの中にフォルダAが、USBメモリの中にフォルダBがあるとします。この時、フォルダA内のファイルをフォルダBに動かすと "複製" になります。
あるいはUSBメモリの中にあるフォルダAから、SDカード内のフォルダBにファイルを動かしたり、外付けHDDから別の外付けHDDに動かすと、これらも "複製" になります。
何が違うのか
大雑把な言い方をすると
- 同一の装置の中でファイルの場所が変わる場合は移動になる
- ある装置の中から、別の装置にファイルの場所が変わる場合は複製になる
ということになります。
移動となる条件で例示したもので言うと、ダウンロードフォルダと書類フォルダのいずれもmacOSのユーザフォルダ内にあるフォルダで、macOSのユーザフォルダはMacintosh HDDの中にあるフォルダです。つまりこの例ではMacintosh HDDの中でファイルの場所が変わっただけなので "移動" と扱われるわけ。
複製となる条件で例示したものでは、各装置を跨いでファイルの場所が変わっているのでこの場合は自動的に "複製" と扱われるわけます。
移動と複製の見分け方を習得しよう
と説明されても、実際のところはボリュームやフォルダなどの構成を理解&イメージできないと理解するのはなかなか難しいかもしれません(^-^;
そういう場合は無理して覚えなくても大丈夫!
macOSはそのファイルが移動扱いなのか複製扱いなのかをマウスポインタが知らせてくれているので、これさえ見逃さなければ何の問題もないはずです。
強制的に移動、強制的に複製したい場合
とはいえ複製されると元のファイルを消す作業があるから面倒くさい、強制的に移動させることはできないのか……、或いはその逆で元のファイルは残しておきたいから強制的に複製したい場合もあるはず。
そんな時にはキーバインド(キーボードの併用)を覚えておくと超便利!
強制的に移動させたい
⌘(command)キーを押しながらドラッグ:これで "強制移動" になります。
従ってもし移動するつもりでファイルをドラッグしているのにマウスポインタに(+)が表示されていたら、そこでcommandキーを押下すると(+)が消えるのでそのまま目的地までファイルをドラッグして離せばOK。
強制的に複製したい
⌥(option)キーを押しながらドラッグ:これで "強制複製" になります。
先ほどと同様に、複製するつもりでファイルをドラッグしているのにマウスポインタに(+)が表示されていなかったら、そこでoptionキーを押すと(+)が現れるのでそのまま目的地までファイルをドラッグして話せばOKです。
一部の例外動作
Dropboxは外部接続のサービスですがmacOS上では "内蔵" の扱いです。
従ってmacOSのダウンロードフォルダからDropbox上にファイルを動かすのは上の説明に則れば "複製" になりそうですが、実際には "移動" の扱いになります。
また、物理的に1台のドライブであっても論理的に分割(パーティション)されている場合はそれぞれが別のドライブ(ボリューム)として扱われるので、ドライブを乗り越えたファイルやフォルダの移動は "複製" として扱われます。