りんごが好きなのでぃす

Macを中心に、たま〜にiPhoneやiPadなどの話題も届けていたら今年で26年目を迎えてました

生粋のAppleファンがアップルに求めているもの

 

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Steve Jobsが仕切っていた頃からのAppleユーザにとって、Tim Cookが仕切っている現在のAppleが送り出している製品たちはどのように写っているんだろう……。

言い換えれば、感覚的・直感的な部分でSteve Jobs時代のApple製品と同じ匂いをTim Cook時代のApple製品に感じているんだろうか。

最近、時々こういうことを考えるようになりました。

なぜか……

だって、私自身が『何か違う』と感じることが増えたから。

ブランドイメージ(伝統)

ある程度社会的にも認知され、しかも親しまれている "ブランド" というものは大きな変化をすることに拒否反応を示されがち。

例えばアニメ「サザエさん」にこんなことが起きたら……。

もしもタラちゃんに弟か妹ができたら?

恐らくサザエさんワールドに極端な変化が生じることは無さそう。

クレヨンしんちゃんで妹が途中から登場した時と同じく、スムーズに受け入れられるものと予想されます。

もしもマスオさんが出世して幹部に昇格したら?

それだけなら目出度い話で済むかもしれません。

しかし、この出世を機にマスオさんの性格が高飛車になるとか、急に金回りが良くなって情緒あふれるあの平家を鉄筋コンクリート2階建に改築するなどが描かれたら……

(꒪⌓꒪ ) なな、なんてことを……

と、その昭和で平和なサザエさんワールドが崩壊したことに嘆くはず。

時に改革は必要なものだと思いますが、それでも守るべき一線というものはあると思うんですよね。

職人気質と商売気質

職人気質

  • 自分たちが創りたいものを作る
  • 魅力が解らない人は買ってくれなくて結構
  • 10年先のゴールを見据えて1年刻みのモノづくり

商売気質

  • 世間が欲しがっているものを作る
  • 売れるためならポリシー変更も厭わない
  • ゴールは1年後、ゴールインしたらまた1年後のゴールを設定

どっちがSteve Jobsで、どっちがTim Cookだと思います?

あくまでも私の勝手なイメージでしかありませんが、前者がSteve Jobsで後者がTim Cookだと思うんですけど、いかがでしょう。

つまり、Tim Cook率いる現在のAppleは職人気質とは真逆の商売気質で、先ほどの例でいえばサザエさんワールド崩壊路線。

ラーメン屋さんに例えるなら、前者はお客さんの喜ぶ顔見たさで頑張っている大将が作っているラーメンで、後者は客足を気にしてメニューやレシピの工夫に邁進している大将が作るラーメン。

似てるようですが、前者と後者では主眼が違いますから客側が受け取る『温度』も自ずと違ってきます。

職人気質のSteve Jobs

Jobsが常に見ていたのは凡人には想像不能な10年先のゴール。

(´-`).。oO(10年先としたのはわたしの勝手な設定です、念のため)

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そこに向けて段階を踏みながら進化していく製品にはドキドキ・ワクワクという "スリル" が存在していて、製品自身の魅力とともに多くのファンが惹かれていました。

発表前:次は何が出てくるんだろう……(期待感)

発 表:ちょ、何それ、意味わかんない……(困惑)

数年後:あの時意味不明だったあれはここへの伏線だったのか!(納得)

こんな感じの繰り返しで、そしてこれがAppleユーザの醍醐味でもありました(笑)

つまり、Jobsの提案は『いずれ時代が追いつく(とJobsが考えている)もの』だったとも言えますね。

気取って言えば『未来を提案』といった感じでしょうか。

商売気質のTim Cook

しかし、今のApple製品を見ているとこれが全くありません。

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ライフログを取ることが流行ってるらしいからAppleもスマートウォッチを作ってみましたとか、デュアルレンズが流行ってるらしいからAppleなりのデュアルレンズを提案してみましたなど、どうもどっかの後追いに見えてしまうものばかり。

何をしてくるか分からないSteve Jobs時代のAppleを平野レミさんに喩えるならば、Tim Cook時代のAppleはごくごく平凡な料理番組みたいなもんです。

つまり、Cookの提案は『いま時代が求めている(とTimが考えている)もの』であってJobsのような未来を先取りする=ユーザに夢を抱かせるような提案ではない、といっても過言ではない気がします。

だから役には立つ製品であっても触れることには大した感激を伴わず、感激したとしても一過性のもので終わってしまうんだと思います。

正念場を迎えるApple

CEOが新しくなったんだから会社の色も変わるのも、Jobs色を排する動きを見せるのもまた自然の成り行きだとは思います。

しかし『Appleの伝統』は死守すべきことだと思います。

他者に左右されることなく、信念を貫いた製品を創造する……それがAppleの伝統であり真髄では無いでしょうか。

MacBook Proでポートの改革やTouch Barの搭載といった未来っぽいことをやって見せたのにユーザの反応が芳しくないというのも、ユーザはそこに『信念』を感じることができなかったからだと思います。

ringosuki.hateblo.jp

Appleがマイノリティであったにもかかわらず多くのファンに支えられていた最も重要なポイント=原点をAppleは、Tim Cookはお忘れなんじゃないでしょうか。

 

もうそろそろSteve Jobsの置き土産(アイディアの在庫)には底が見えて来ている頃だと思うので、弾切れになる前にTim Cookには伝統を重んじた新しいAppleの進もうとしている道を我々に示してほしいと思います。

 

この2〜3年がApple(Tim Cook)にとっての正念場となりそうな予感……

 

あ、それから余談ですけど「Hello again」のような過度に期待を煽る真似はやめたほうが良いと思う。本人には煽ってるつもりはないのかもしれないけど、私に言わせれば自社製品に爆発的魅力がないゆえの煽りのように見えています。