AppleにとってFaceTimeは単なるテレビ電話ではない…のかもしれない
iPhone 4の目玉機能の一つである“FaceTime”がアナウンスされたとき「何でWi-Fi限定なんだ?」という素朴な疑問がわきました。取りあえず自分の中では…
…程度の解釈しかしていなかったのですが、違いますね。多分Appleは既に全然違う所を見ていそう。そう思わせたのが先日発表された新しいiPod touchであり、昨日から今日にかけて浮上しているうわさ話。
例えばFaceTimeを3G通信にしてしまうと利用出来るのは『iPhone 4同士だけ』という極めて限定的な物になってしまいますが、Wi-Fi通信なら条件さえ整えばiPhone 4以外でも通信が成立する事になります。
実際、先日発売されたiPod touchも既に備わっているWi-Fi機能に加えて前後カメラとFaceTimeアプリを組み込む事によりFaceTimeに対応しました。iPadも今後その方向に向かう可能性は十分に考えられますし(via AppleInsider)理屈の上では何らかの外付けユニットを使う事で現行iPadでFaceTimeが可能になるようなことは直ぐにでも起こりえない話しではありません。
iPhone 4同士に限られていた機能がiPod touchにも提供された事によりFaceTime対応の窓口は急激に増えた事になりますが、事はそれだけにとどまりません。
MacやPCだって今は当然のようにWi-Fiに対応していますから、条件さえ整えばこれらもFaceTime対応端末になりうる訳です。もしそうなったらFaceTimeの窓口が増えたどころの騒ぎではないのは容易に想像出来るでしょう。iMacからiPhone 4へFaceTime、SONY VAIOからiPod touchへFaceTime、MacBook Proからacer AspireへFaceTime…てな具合に。その可能性を示唆するうわさ話も出てきましたし(via TUAW)、更にはApple TV もそのうち対応する、なんてこともあるかも知れません。
まあ既存のビデオチャットと何が違うのかと訊かれると困りますが、少なくとも日本のケータイによるテレビ電話とは見ている方向が初めから違いそうだ、ということは感じて頂けるのではないでしょうか。
しかし、Appleは見ているのは恐らく更にその先でしょう。たぶん『クラウド』。FaceTimeはクラウドサービスにおける機能の一部で、私たちはその一部をまず手渡された、という事ではないでしょうか。
例えば病院の医師や看護士などがFaceTimeを活用するようになれば?これに診療・治療や投薬の情報をぶら下げて活用することが出来るようになれば?
iTunesにiPodが加わって、iTMS(当時)の登場で一気に市場に火がついたように、ちょうど今、クラウドを展開するべく導火線に着火したところかもしれません。