りんごが好きなのでぃす

Macを中心に、たま〜にiPhoneやiPadなどの話題も届けていたら今年で26年目を迎えてました

スティーブ・ジョブズCEO、Adobe Flashに対する見解を説明

 

iPadなどにFlashを採用しない6つの理由、Jobs自らが詳しく説明

既に各所で報じられていますが、昨日Apple (US) のサイト内に件の事柄についてのJobs氏による公式の説明が掲載されました。

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大まかな要点 (一部意訳) は以下の通り。

    1. iPhone OSなどAppleにも閉鎖的なものはあるが、FlashもAdobeが言うような開放されたものではなく一社独占の提供による閉鎖的なものである
    2. Adobeはインターネット上の動画の約75%がFlashであると説明するが、その多くはより近代的なH.264フォーマットでも利用できる事実を覆い隠し説明していない。Flashのゲームが出来ないのは事実だが、5万以上のタイトルを擁するApp Storeによって概ね補えている
    3. Flashが原因によるクラッシュ、Flashに存在するセキュリティ問題など、両者の協力においても未だ解決できない要素が存在する
    4. Flashの設計上ソフトウエアによるデコードを余儀なくされるため、同コンテンツを動かすとバッテリーを著しく消耗する
    5. ロールオーバー (文字などにマウスポインタを重ねるだけでメニューが開く、などの動作)の概念を有しないタッチパネル下において、ロールオーバーに強く依存した設計が多いFlashコンテンツはタッチパネルの思想にそぐわない
    6. Flashは異なるプラットフォームをまたぐコンテンツを作成できるツール。それ自体は有意義なツールかもしれないが、それ故にコンテンツは各々で等しく動作するように『最小公倍数』の設計をしなければならない。これでは新しい装置で新しい機能を活かすようなコンテンツを作る事が出来ない (=進化の妨げ)

S. Jobs曰く、6番目の項目が最大の理由とのことですが、本音はもっと人間臭いところにあるような気がしないわけでもありません。つまりAdobeの対応があまりにも遅すぎる事に業を煮やしたのがそもそもの発端ではかなかろうか、と。PhotoshopやIllustratorなどのCocoa対応はMac OS Xが出て10年目にしてようやく実現しましたし、Flash Plug-Inの諸々の懸案事項の解決も遅々として進んでいないようですから。

なお上記の要約はかなり圧縮した上に一部意訳を加えています。正確なところはAppleに掲載されている原文をご覧下さい。翻訳したものはEngadget JapaneseやCNET Japanなどに掲載されていますが、要約されるなどして原文のニュアンスがかなり損なわれているので、APPLE LINKAGEさんによる非常にストレートな翻訳文を読まれる事を推奨します。

全文を読むとJobsはAdobeを目の敵にしているというよりも、古からの盟友に叱咤激励を送っているのではないかとも感じらます。Jobsの肩を持ち過ぎかもしれませんが、実際に読んでみて下さい。たぶん、「あ」と思うところが2〜3カ所あると思います。

【原文】Apple (US)|Thoughts on Flash
【全文訳】APPLE LINKAGE (必読)
【考察】macllaala2 (必読)