ホームフォルダを初期状態に戻して健康を取り戻す
以下に記す方法はこのような場面を想定しています。
特定のアカウントに限ってトラブルが生じる場合、そのアカウントを初期状態に戻せばトラブルが解決する事があります。
新規アカウントを作成すれば簡単に初期状態にあるアカウントを用意できますが、アカウント名が異なるとアクセス権の関係上古いアカウントからのファイルの移植ができません。
アカウント名が同じであればアクセス権を気にすること無くファイルなどの移植ができると思うのですが、何か方法はありませんか?
Mac OS Xはその仕組み上、同じ名称のアカウントを作成する事が出来ません。同じ名称のアカウントを作成するなら古いアカウントの名前を変更してから、という方法が考えられますがMac OS Xのアカウント管理ではそれは認められていません。また、古いアカウントを削除してから、という方法も考えられますがこれではデータも一緒に失う事になるので「データ移植」自体が不可能となってしまいます。
このような場合に以下のUNIXコマンドを実行し、旧アカウントの名称 (ユーザフォルダ名) を強制的に書き換えると同時に、旧アカウントと同一名称のアカウントを再作成させます。
以下、その手順。
- Macをシングルユーザモードで起動
→[command]と[S]を押しながらMacの電源を入れる
黒い背景に白い文字がズラッと打ち出され間もなく表示が止まるので… - 以下の命令 (青文字) を打ち込む:綴り、大文字小文字、スペースの有無厳守
root# /sbin/mount -uw / - [enter]キーを叩き、続けて以下の命令を打ち込む
root# mv /Users/name /Users/name.old
→nameの部分はホームフォルダの名称、taro と taro.old という具合 - [enter]キーを叩き、続けてrebootと打ち込み[enter]
→Macが再起動
手順2&3の斜体字の所はOSのバージョンなどによって表示が異なります。コマンドプロンプト (入力待ち) である事を確認できたら上記青文字のコマンド部分を間違わない様に打ち込んで下さい。手順2&3はいずれも一瞬で終わりますが異常ではありません。
再作成されたアカウントはいままでと同じ"アカウント名"で表示され、ログインPWもいままでと同じです。ただしすべての設定が初期状態に戻っているので各アプリケーション類の再設定を行い、必要に応じて古いアカウントフォルダからファイル類を移植して下さい。
なお、データを移植する際は以下の3点を守って下さい。じゃないと還って深刻な事態に陥ってしまう場合が稀に起こります。
- ピクチャフォルダや書類フォルダなど、フォルダごとの移植はNG
移植する場合は各フォルダの中身だけを移植させる事 - ライブラリフォルダ内の移植は必要最低限にとどめる
闇雲に移植するとトラブルの原因をも移植する可能性があるため - ライブラリフォルダ内の com.apple.finder.plist だけは『移植厳禁』です
もちろん事前にバックアップをとっておいた方が良いでしょう。Time Machineも頼りになると思いますが、作業開始直前に止めておいた方が安全かもしれません。
なお、ここに記した方法はあくまでも「自己責任」にて実行して頂くようお願いいたします。上記手順によって生じたいかなる損害に対しても当方では一切責任を負いません。
[注記]セキュリティの設定で"FileVault"が有効になっているアカウントに対しては絶対に実行しないで下さい。実行してしまうとほぼ間違いなく回復不能になります。